「…和佳菜」
ある日の夜。
彼女を死ぬほど抱き潰してしまった結果。
ヘロヘロで、もう頭が回っていなそうだ。
それでも愛しいこの子をベッドから抱き上げると。
触れるだけのキスをして笑った。
「今日は、言うこと聞かなかったお前には頑張ってもらうから」
「…もう…、むり」
「隆と喋ったあの後も、懲りずにメンバーと喋ってただろ」
「…しゃべらないで、…どうやって、せいかつするの…?」
それはごもっとも。
だけど、そういう理由じゃねえ。
「俺に隠してることあるだろ」
ピク、と小さく肩を揺らしたこの子が何か抱えてることなんかお見通しなのだ。