なにやら、確信を持った言い方だった。


「組を悪く思う人間は多い。ここは遊びでも、組は違う」


「…それで?」


「必ず信じていた人間にぶち殺される」


「それで死ねるなら本望よ」


「は?」


「だって、あたしたちは人助けをしたのだもの。それなら、それでいいわ」


彼の目はやはり、納得がいっていないことを表していた。

「……」


だから、あたしは笑う。




「もし、…あたしが、仁が、殺されたなら」




「その仇は、琢磨がうってよ」



そう言えば、少し許してもいいって思ってくれるわよね?



「…方法は?」


「なんでもいい。半殺しにして、海に捨ててもいいし。完全犯罪ができるなら、殺したっていいよ」


「…いきなり物騒なこと言うな」



「お願い」


遮るように琢磨の目を見つめて言った。

 

「悲しみの連鎖が起こらないように」



琢磨がその連鎖を止めてあげて。


「……和佳菜」


「あるかもしれないでしょう?だから、約束」


ふと、笑って小指を差し出すと、琢磨がおかしそうに目を細めた。


「懐かし」


「いいでしょう?あたしからの最後のお願いなんだから」


「…言ったな?」


「あ、やっぱり嘘」


「それはなし」



そう言いながら、そっと小指を絡める。




綾、会いに行くから。



まっててね。








指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます、




ゆびきった