多分、それだけな気がする。
蓮はあまり多くは語らない人だったから。
彼が何を思って、暴走族を選んで、何を思ってそうしてきたのかは、彼のみが知る話だ。
それでも一緒に過ごしてきた時間のことを考えると。
思っていることを言葉にできないシャイな一面や。
マークと喧嘩して泣いているところをぎこちなく慰めてくれたことを、あたしは知っているから。
だから、きっと。
器用じゃない、それだけな気がした。
瑞樹に聞けばわかることなのだろうけども。
生憎彼とは、連絡が取れないのだ。
主を亡くした彼の役目は、あたしを守ることだけだったのだけど。
それもなくなった今、どうしているかはきっと誰も知らない。
Margaretに遊びに行った時、そこは既に廃墟と化していたのだから。
佐々木さんにも会いたいような気がするけれど、彼に会える日もまた少し遠ざかりそうだ。
「和佳菜」
「なあに?」
「お前、あいつのことどう思ってたんだよ」



