蒼の花と荒れる野獣 番外編



だから思わず、言葉に詰まった。


「…殺した?」


「そ。ま、正確には生きてる。でも、もう歩けねえ、喋れねえ。意識だけは辛うじてある」


琢磨の目には色なんかない。


ずっと同じトーンで、話し続ける。


だけど、あたしには…衝撃的だった。


「…そんなの」


「死んでると一緒だろ?だから、言った。殺したって」


「……」



何を言ったらいいか分からなかった。


日曜の昼下がり。


いつもと変わらぬ光景。


だけど、ここだけ。




空気が薄い。





「言っとくが事故だ。俺らには縁がなかった拳銃の暴発。それをしたのやつのひとりが、たまたま触っちまっただけ。誰のせいでもない」


「…」


「それでも、やった奴は苦しんで自殺した。優しいやつだったんだ。背負うには大きすぎたんだろうな」


そんなの誰にだって大きすぎる。


あたしだって、耐えられる気がしない。