「ねえねえ琢磨」



「…なんだよ」



「琢磨って昔偉かったんでしょ?」



日曜の昼下がり。


倉庫の中央から見る景色はいつもと変わらないけど、珍しく琢磨が倉庫に遊びに来ていた。


ああ、あそんではないか。


報告だのなんだの言ってたけど、忘れた。



「あー、そうだよ。めちゃくちゃ偉かったんだから。なんなら、その時の話でもしてやろうか?」


「ううん、要らない」


一刀両断したあたしに、はあ、とため息をついた。


「要らねえのかよ」


「だって、聞き飽きた」


昔の話なら散々聞いた。


耳が痛くなるくらいに。