「お前は…」
「ええ、あたしのことを想像して」
真っ直ぐに俺を見つめる、この世で一番美しい獅獣の姫は、穏やかな表情をしている。
そんな和佳菜が言いそうな言葉は…。
「『あたしは、絶対に仁の隣から離れないから』」
リンクしたみたいに綺麗に重なった言葉に、俺も和佳菜も思わず笑ってしまった。
「分かってるじゃない」
口角をふっと上げた和佳菜は、柔らかく抱きしめてくれた。
「誰が離れてしまっても、きっと貴方の元は離れられないわ。そういう運命みたいなものよ」
肌を通して伝わる全てに、心がゆっくりと穏やかに凪いでいく。
「だから、怖がらなくていいのよ」
誰にも渡さない。
和佳菜の隣は。
一生俺のものだ。



