「最近よく夢をみる」
「夢?」
「みんな俺の目の前から消えていく夢」
今に始まった話ではない。
夢は同じもの、暗闇の中みんなが俺に背を向けて歩いていく。
翔、獅獣の仲間たち、そして。
必ず最後が和佳菜なんだ。
決まって、彼女はこういう。
『さよなら、仁』
そういった夢の内容を気が付いたら、和佳菜に話していた。
彼女はきょとんとしてから、
「夢の中のあたしは酷いことを言うのね」
そういって、ふわりと微笑んだ。
「じゃあ貴方の目の前にいる”あたし”は仁になんていうと思う?」
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