「今日も好きですよ?」
「お前も毎日暇だなー…」

昼休みの屋上にて。

私、有坂 雨音(ありさか あまね)は告白していた。

呆れながら答えたのは一個上の2年の日高 奏(ひだか かなで)先輩。

この学校で一番のイケメンでもてる。
軽いことでも有名で来るもの拒まず…のはずなんだけど

「今日もダメですか…」
「お前も結構しつこいな」

今日で通算12回目の告白なんだけど
どうやらダメっぽい。

「結構メイク頑張ったんですけど、可愛くみえませんか?」
「んー…だめだな。20点」

「低っ……!」
「そのメイク全然あってねーし、逆に怖いわ…」

「ひどっ…頑張ったのに…」

昨日の夜メイク動画2時間見たのに…!
少しくらい私の努力もわかってほしい。

「残念だったな。次はもっとマシなメイクに期待しとくわ…」

この人、完全に私の事眼中に無いんだろうな。
そんなことはわかってるけど。

私だってこんな先輩の事好きなわけじゃない。
好きじゃないのに毎日告白している。
それには理由がある。



ガチャ…
屋上に続く扉が開かれると同時に賑やかな声が聞こえて来た。

「あっれー?また奏告られてるのー?」
「なんだ姫奈か、なんか用?」

少しけばめのメイクをしている2年の先輩だった。

「あなたも懲りないねー…、もういい加減諦めたら?」
見下したように私に言ってきた。

正直むっとした。

彼女は日高先輩の取り巻きの一人。
そう、ただの取り巻きの一人。

私はそんな取り巻きにすらしてもらえてないけど…。

「また明日来ますっ…」
私はぺこっと頭を下げると屋上を後にした。