「ただいま~!」

「おかえり、みーちゃん。」

大学が終わったあとにシェアハウスに帰ると、いつものように翔太くんがお出迎えしてくれた。

「三玲さん、お邪魔している。」

翔太くんの後ろに四季さんがいた。

「こんにちは、四季さん。
ゆっくりしていってください。」

「ありがとう、三玲さん。」

四季さんは、いつもクールだ。
テレビに、出ているときも今も。
だけど、時々笑ってくれるときがある。
四季さんの笑顔は、言葉にならないくらいきれいなんだ。

私がそんなことを考えていると、

ピーンポーン

玄関からチャイムが聞こえた。


「翔太くん、私が出るね。」

「ありがと、みーちゃん。」


私はドアを開けた。
すると、

「ヤッホ~、三玲。」

そこには真希がいた。

「どうしたの?真希。」

真希がシェアハウスに来るのは、シェアハウスパーティー以来かな。

「ケーキ、持ってきた。
語り合いたいです!」

真希は片手にケーキの入った箱を持っていた。
きっと、little starに、ついて語り合いたいんだと思う。
私も語り合いたいんだけど……
四季さんが来てるんだよね〜。


「ちょっと待ってて。」


私は申し訳ないけど真希を外に待たせて、翔太くんのところへ向かった。


「翔太くん、真希が来てるんだけど家に入れてもいいかな?」

「う〜ん、いいんじゃない?」

私は断られるの承知で聞いたのに翔太くんはなんと、了承した。

「いいの!?
四季さんいるのに?」

「いいよ〜、だって三田さん悪い人じゃないもん。」

「分かった。」


ワタシは急いで玄関に行ってドアを開けた。

「暑い〜、溶けるー!」

「ごめん、ごめん。
さぁ、中入って。」

真希は玄関に入って「なんか、クーラーついてないのに生き返る」と意味のわからないことを言っていた。
まぁ、それくらい暑かったんだよね。

「お邪魔しま〜す。」

私は真希をリビングに案内する。
私の部屋に真希を連れて行くには必ずリビングを通らなければならない。

リビングを通る。
すると、案の定翔太くん、そして四季さんがいて……。


「ッッ〜!?」

真希は目を見開いていた。
そうだよね、目の前に推しがいるんだから。
しかも私服。

「三田さ〜ん、こんにちは。」

真希は、棒立ちだ。

「三田さん?」

「あっ、はい。」

真希は、やっと呼ばれたことに気づいたのかいつものように返事をした。

「三田さん、紹介するね。
この人は「ちょっと待て、翔太。」

翔太くんが四季さんを紹介しようとすると四季さんがそれをさえぎった。

「あなた、握手会に来てましたよね。」

「えっ、そうなの?」

翔太くんが驚く。
まぁ、そうだよね。
翔太くんは私達がlittle star好きなの知らないんだから。

「は、はい。」

「もしかして、ファン、四季ファン?」

翔太くんが興味津々で聞いている。

「はい。」


真希は恥ずかしそうに答えた。


「ん。」

四季さんが真希に手を差し伸べている。

「えっ?」

「だから、握手。」


「はい!」


真希はキラキラした顔で四季さんと握手をしていた。