「ここに座ってください。」
私は急いでキッチンに行って、お茶をいれる。
あの人が翔太くんなら、なんでここに来たんだろう?
「紅茶です。どうぞ。」
「ありがとうって大丈夫?」
「へぇ?」
「めちゃくちゃ手、震えてるけど。」
私は自分の手を見た。
すると、今までに見たことがないくらい手が震えていた。
大学受験の時も手が震えていたけれど、今の方がもっと震えている。
「大丈夫です。」
おさまれ〜!
私の手。
翔太くんらしき人が紅茶を一口飲む。
「花崎さん、僕が誰か気になる?」
翔太くんらしき人が、私の方をみてそう言う。
気になるけど…。
「はい。」
私の心臓は、この時、大暴れしていた。
『僕は橘 翔太です。』って言うのか、
『僕はアイドルです。』とか、
もしくは『僕は、〇〇 〇〇です。』
というのか。一般人なのかもしれない。
だけど、カッコいいから知り合いくらいにはなっておきたい。
「僕は、僕は………」