「わーい!!海だー。」

翔太くんはバンザイをして海を見ていた。
今にも走り出して海に入りそうだ。

「みーちゃん、見てみて。」

「ん?」


翔太くんがいきなり砂浜に座って、何かを指さしている。


「ひっ!」

翔太くんが指さしていたのは小さなカニだった。

「みーちゃん、驚きすぎ。
あと……」


翔太くんが私の耳元に顔を近づける。

「水着可愛すぎ。」


「あ、ありがとう。
翔太くんもいつも通りカッコいいよ。」

私が照れ隠しの為にそう言うと、翔太くんは

「みーちゃん、ありがと。」

そう言って抱き着いてきた。
ヤバい、推しの生肌が…!


「も〜!!ずるいよ。」

誰かがそう言って、走って私に抱き着いた。
誰なの?
知らない人かな…?

恐る恐る顔をあげるとそこにいたのは蓮くんだった。

「蓮、なんでいるんだよ。」

翔太くんが驚いている。
目をとても見開いて。


「三玲ちゃん、久しぶり。」

蓮くんが私に向かって手を振る。

私も手を振りながら

「久しぶりだね、蓮くん!」

まぁ、テレビで沢山見てるけど…。
やっぱり目の前で見ると違うな。

「翔太、客がゼンゼン居ないみたいだけど今日は貸し切りか?」

四季様がそう言う。

「あぁ。
せっかくみーちゃんと二人……いや、なんで来てるんだよ。」

「沢山いた方が楽しいでしょ。」

蓮くんが海の中に飛び込む。

「俺も行く!」

雫さんも蓮くんに続いて飛び込む。

「ほらほらお二人さんも。」

「へっ?」

「おい、待て、綺羅〜。」

翔太くんと一緒に海の中に潜った。
綺羅さんにつかれたからだ。

「おい!綺羅お前っ。」

「翔太、水も滴るいい男って言うだろ。
だから、潜らせてあげたんだ。
僕は日陰の下でジュースでも飲むよ。」

綺羅さんは水着を着ているのに海には入らないと言った。
すると、蓮くんが

「綺羅も。」

「はぁ、うわ〜〜!」

綺羅さんが蓮くんにつきおとされた。


「蓮、どういうことかな?」

「ほら、綺羅も言ってたでしょ。
『水も滴るいい男』ってね。」

蓮くんがかわいい決めポーズをしている。


「アハッハ、綺羅、お前ダセェ。」

翔太くんが大爆笑している。

「翔太、よくも。
待て〜〜!」

翔太くんが綺羅さんに追いかけられている。


「三玲ちゃん、僕と泳ご!」

「うん。」

「俺も入れろ!」

四季さんも泳ぎたいらしい。

「四季、泳げるの?」

「蓮は俺に怒られたいようだな?」

わぁ…、普段笑わない四季さんがとびきりの笑顔で怒ってる…。


「あわわ、ごめんなさい、四季。
三玲ちゃんと一緒に泳ごうよ。」

「ああ。もちろんだ。」

わぁ、今度はとびきりの怒ってない笑顔で四季さんは笑っていた。


little starのみんなの事、もっと知りたいな。


「三玲ちゃ〜ん、こっち。」

「うん!」


私は、そう思いながら蓮くん達と泳いだ。