「はい、ございますよ」

そう言って、ルルは嬉しそうに笑った。

「それなら僕のやりたいことは決まったよ。
魔法を学びたい」

「でしたら魔法学園へ行ってみては?」

「学校かぁ。まぁ学ぶとなるとやっぱりそうなるよね…」


僕はあまり学校というものに良い思い出が無い。
感情の起伏がほとんどない生徒が、教師やクラスメイトに好かれるとは言い難いだろう。

ーー困ったな。

そんな僕の思いを感じ取ったのか、ルルが心配そうにこちらを見てくる。


「結雨様はもしや人間関係が苦手なのですか?」

「まー、得意とは言えないね」

「左様でしたか。
もしかしたら、この国の魔法学園でしたら人間関係に困ることはないかも知れません」

「それは本当?」

「この国の魔法学園ーーリーラス魔法学園は当人の実力で全てが決まります。
そこに人種、性別、身分、法律は関係ありません。リーラス魔法学園という一都市の中でそこに決められた規則に従い、生徒は更なる上を目指して日々訓練するそうです」


ある種の独立国家という訳か。
それはそれで素晴らしいことだと思う。