よく分からない情報に驚いている最中、先頭に立つ虎の子が口を開けた。
「ここは我々、最高位魔獣が拠点としている森でございます」
「へぇーそうなんだ。
そういえば君の名前は?」
「我が名はルルでございます」
「…ルルね。
僕は結雨っていうんだ。気軽に結雨って呼んでよ」
ーー動物に敬語を使われるのも変だし、それに呼び捨ての方が話しやすい。
そう思ってたのに、ルルや他の生き物たちは一向に首を縦に振ろうとはしなかった。
「唯一神様の名を軽々しく呼ぶなどそんな恐れ多いことは出来ません。
我々を含むこの世の全ては唯一神様の道具に過ぎないのですから、どうぞ貴方様のお好きなように」
「いやいや、そんな畏まらなくても…。
僕からのお願いと思って聞いてくれないかな?」
「うっ、、、。唯一神様のご命令とあらば致し方ありません。
では大変恐縮ですが、結雨様と呼ばせていただきます」
躊躇いつつもなんとか納得してもらい、他の生き物たちにも名前で呼んでもらうようにした。
