結雨side.
頬を擽るような撫でるような感じがして、ゆっくりと目を開けた。
ちらりと横を見ると、毛並みの美しい白銀色の小さな虎がこちらをジィーッと見ていた。
上半身だけ起こして周囲を見渡すとそこは辺り一面澄んだ湖が広がっており、僕の周りには大小さまざまな生き物たちがいた。
「《新たな唯一神様にご挨拶を》」
虎が僕に向かって頭を下げると周りにいた生き物たちも一斉に頭を下げた。
「…ここは君たちの住処?」
ーーそれにしても一体どこだここは。
《現在地ーリシャートル大国の南側に位置する魔物の住まう大森林。通常、南の森。尚、ここは南の森の最深部に値する。》
いきなり頭の中に情報が流れ込んできた。
ーーなんだこれ?
…もしかして、唯一神の能力ってやつか。
