「ルルの説明のおかげで何とかできそうだよ。」

「それは良かったです。」

「よし。…やるか。」


遠方からやってくる一匹の魔物。
木々を薙ぎ払いこちらを目掛けて一直線に突進してくる。

ーー避ける気がないなら丁度いい。


「僕の練習台になってもらうよ?」


イメージは、鋭い刃…。鋭利な刃物と言うべきか、スッと尖った切れ味のいいナイフを想像する。

地面から突き刺すように魔力を込めて、獲物がポイント地点に到達したところで一気に放つ。



「グランド・スパーダ!」



____グサッ、ブスッ!


鈍い音が鳴った。


魔物は予想通り僕の放った魔法により一瞬にして息絶えた。



「…どうかな?結構上手くいったと思うんだけど。」

「お見事です。とても初めてには見えない腕前でした。
それに詠唱破棄にも拘らずこれ程までの威力を持つとは……感服致しました。」