「確かにそこなら他人の目を気にすることなく自分のやりたいことができそうだ」
「ではリーラス魔法学園に通われますか?」
「そうだね。でも通うにあたって必要な物とかあると思うんだけど、どうやって準備しよう」
生憎と僕はこの世界に来たばかり。
身分証や金銭類は持ってないし、まず衣食住すら満足に整っていない状況だ。
「ギルドに行ってみてはどうでしょう」
ーーギルドってあのギルド?
異世界なだけあってファンタジー系のやつはなんでも揃ってるのか。
「《冒険者ギルドー特定のクエストをクリアして報酬を受け取るこの世界の職業の一つ。各国に一つずつ存在しており、他にも商業ギルド、生産ギルドの二つがある。冒険者ギルドは主に魔物の討伐や薬草の採取などを行う。》」
「ギルドに行くと何かもらえるの?」
「はい。その者の身分を表すギルドカードを発行できます。それ以外にも支払いをギルドカードで行えますので便利かと。
この国の人間たちも登録可能な年齢になると皆ギルドカードを発行しております」
それ一つでお金にも身分証にもなるとか、便利すぎる。
ーーそりゃあこぞって登録するよ。
