〜 とある日の19:00


少し早めに駅に着いた 。


そう今日は翼さんと初めて会う日

別にこれといってオシャレをしてきたわけでもなく
普通の格好で駅のロータリーで待ってると……


プルルルルルルルル


ルナ「 はい 」

翼「 もう着くよ〜!どこにいる??? 」

ルナ「 マックの前にいますよ! 」

翼「 あー!分かった!あれね! 」


当たりを見渡すと車は1台の高級車しか無い。


ルナ「 もしかして 黒いベンツですか 」

翼「 そうだよ〜!!乗ってー! 」


プーップーップーッ……


そう言って電話を切られたものの
そんなに軽々しく高級車なんて乗れないし
初めて乗るし オープンカーだし 益々
翼さんに対してどんな人なんだろうと疑問が溢れた




ルナ「 すごい車ですね 」

翼「 えー?そうかなあ?? 」

ルナ「 だいたいこういうスポーツカーのシートベルトって両肩から降りてきてる様なやつかと思ってたけど違うんですね 」


必死に会話を探した 。

私より年上ということは定か

スーツを身にまとい 少し強い香水が巻かれ
淡々とスポーツカーを運転する横顔

向かった焼肉屋での会話も高級店で
ある程度お金は持ってきてたものの
社交辞令でも財布を出さなきゃとレジに並び
私も財布を出そうとした


翼「 いいよ!俺出すから 」

ルナ「 えっ、でも申し訳ないです 」

翼「 じゃぁ今度なんかジュースでも奢って 」

ルナ「 はい!ありがとうございます 」


あまりしつこいのもイケナイと思い引いた


行った焼肉屋は大理石のテーブルに
分厚い赤みのお肉など沢山並べられてた


ルナ「 本当に美味しかったです 」

翼「 そう?それなら良かった 」


緊張してて どういう会話をしてたのかは
正直詳しくは覚えてなかった 。


ただひとつ言えることは 私はもう
この時点で一目惚れしてたのでは無いかということ




私の自宅に向かってる最中に大雨が降り
駐車場に着くも 降りることが出来ず
ひたすら会話を続けた


翼さんの周りの友達の話や昔の合コンでの話
スノーボードでの話

気づいたら3時間も話してた 。



翼「 いやぁ ホント面白いでしょ俺のツレ 」

この時には緊張も解けて ただただ
話に集中してた

ルナ「 そういう事ってホントにあるんですね 」

翼「 あるんだよ〜!ホント俺らの周りでは毎日がアニメみたいなこと起きてたからなあ 」


話を聞いてると仕事はとある会社の経営者だった 。


私が思う経営者と言うのは
ガチガチしてて冗談も通じないような人だと思ってた

だけど翼さんは違った 。

子供のような一面もあり
大人のような対応も見せる

そんな所に私は最初に惹かれていった 。



翼「 そろそろじゃぁ中入りな!遅くまで話しちゃってごめんね! 」

ルナ「 いえ!楽しかったです!ホント今日は、ありがとうございました 」


そう言って翼さんと別れ部屋に入った 。



プルルルルルルルル


" 着信 翼さん "


部屋に入ってすぐ翼さんから電話がなった


忘れ物でもしたのか……?出てみた


ルナ「 はい? 」

翼「 いやあ 帰り道ヒマだし電話でもしてよ〜と思って! 眠かったら言ってね 」


正直 すごく嬉しかった 。


でも……



大人の人と絡んだことの無い私は
大人の恋 大人の関係というのを知らずに
ただただ " 大人の優しさ " と言うものに
のめり込んでいくものだった 。