まず百合絵は、ビート板無しでは泳げない。
それも凄まじいバタ足をしても、水飛沫が上がるだけで、前に進まないという稀に見る才能の持ち主だ。
試しに板無しで泳いでみようとしたが、潜水、それも下へ下へ向かう潜水だったので危うく溺れるところであった。
本人曰く、「前に進んでいるつもり」「自分の中では百メートルは優に越えている」らしい。
端からは、新しいアクロバット的シンクロナイズにしか見えないのだが。
茨に至っては水面恐怖症という、どうしようも無い話。
始めは足先をプールにチョコンとつけるだけでも嫌がっていたが、あまりにも駄々を捏ねる茨に業を煮やした黒酉が、三~四十回水中に放り込んでみたところ、失神八回・意識混濁七回・失禁三回を得て、何とか浸かるぐらいまでには成長した。
これは褒めるべきなのか、黒酉のやり方に異議を申し立てるべきなのかは読者各々の見解にお任せしよう。
長くなったが、黒酉による超強(恐)化訓練を受け一月経った今でも、というか未だに、二人はカナヅチなのである。
それも凄まじいバタ足をしても、水飛沫が上がるだけで、前に進まないという稀に見る才能の持ち主だ。
試しに板無しで泳いでみようとしたが、潜水、それも下へ下へ向かう潜水だったので危うく溺れるところであった。
本人曰く、「前に進んでいるつもり」「自分の中では百メートルは優に越えている」らしい。
端からは、新しいアクロバット的シンクロナイズにしか見えないのだが。
茨に至っては水面恐怖症という、どうしようも無い話。
始めは足先をプールにチョコンとつけるだけでも嫌がっていたが、あまりにも駄々を捏ねる茨に業を煮やした黒酉が、三~四十回水中に放り込んでみたところ、失神八回・意識混濁七回・失禁三回を得て、何とか浸かるぐらいまでには成長した。
これは褒めるべきなのか、黒酉のやり方に異議を申し立てるべきなのかは読者各々の見解にお任せしよう。
長くなったが、黒酉による超強(恐)化訓練を受け一月経った今でも、というか未だに、二人はカナヅチなのである。


