百合絵は今この瞬間に隕石でも落ちて、皆滅びてしまえばいいのにと、不謹慎な事を考えながらテレビを切った。
 学校から帰宅して数分後に体調を崩し、一人部屋に籠る自分。
 クリスマスだというのに、最悪な夜だ。
 窓の向こう側を、ふと覗く。
 カーテンでよく見えないが、時折女の声と混じって晃の笑い声が聞こえてくる。
 茨でさえ、今日はデートなのに……。
「なんなんだ、これは……」
 溜息を吐きすぎて、きっと部屋中風邪のウィルスと二酸化炭素で充満しているに違いない。
 そんな事を思っていると、百合絵の携帯に着信が入ってきた。