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八月ーーー夏休み真っ只中。

桐海暁学園の周辺では、鳴いててもいいはずの蝉の声が殆ど聞こえてこない。

この地区特有の環境なのかもしれないが、具体的な理由は分からないものの、蝉があまり鳴かない。

いや、蝉そのものが存在していないと言って過言ではないだろう。

夏の風物詩が無いまま、連休に突入している学校だが、そんな静かな校内に一人の残念な女学生が机に向かっていた。

城山茨、その人である。