茨ちゃんは勘違い

猛獣コースに入ったものの、丁度動物達はお昼寝時だったらしく、凶暴そうなベンガルトラやらホワイトタイガーは、、だらしなく大きく開けた口から、肉を噛みちぎる為にある筈の大きな牙を覗かせていた。

ある一匹は、鬱蒼と茂った原っぱでゴロゴロと寝返りをうち、またある一匹はもう一匹の尻尾にじゃれついていた。

あの動物が獲物を狩る時は、この惑星トップクラスの身体能力で他の生物の命を一瞬で奪う事が出来るとは、到底想像出来ない姿だった。

「あー、理解るわー、アタシだわー、あのトラアタシだわー」

と、トラの戯れを見た茨がうんうん頷く。

木更津はぷふすーと、息を吹き出した。