来ていきなり憤慨されて帰ろうとする事までは予想出来なかった木更津は、混乱する頭の中で、茨の機嫌を如何に素早く直すにはどうしたらいいかという事がグルグルと巡っていた。
そして纏まらぬまま、茨を引き止める行動に出た。
いきなり茨の手をガッと掴むと、こう言ってのけた。
「頼む!行かないでくれ!僕は本当に茨ちゃんとデートする事を楽しみにしていたんだ!」
確か、お詫びにデートという名目でこういう事になった筈なのだが、いつの間にか木更津のお願いを聞く形になっているようだ。
茨は産まれてこの方、異性と手を繋いだ事も無いし、そんな風にお願いされた事もないので、突然の事に目をパチクリさせて、言葉を詰まらせた。
そして数秒の沈黙の後、茨は根気負けしたかのように、
「しょ、しょうがないわね!じゃあ付き合ってあげるわよ!勘違いしないでよね!私は嫌々来てるだけなんだからね!あ、あんたの事なんか興味無いんだから!」
と、コンパスを使って描いたかのように見事な円形の頬紅を少し膨らませた。
木更津は目を輝かせると、握っていた茨の手をそのまま引っ張り、
「うん!有難う!じゃあ、行こう!早く行こう!」
そのまま桐海サファリパーク入口をくぐり抜けた。
そして纏まらぬまま、茨を引き止める行動に出た。
いきなり茨の手をガッと掴むと、こう言ってのけた。
「頼む!行かないでくれ!僕は本当に茨ちゃんとデートする事を楽しみにしていたんだ!」
確か、お詫びにデートという名目でこういう事になった筈なのだが、いつの間にか木更津のお願いを聞く形になっているようだ。
茨は産まれてこの方、異性と手を繋いだ事も無いし、そんな風にお願いされた事もないので、突然の事に目をパチクリさせて、言葉を詰まらせた。
そして数秒の沈黙の後、茨は根気負けしたかのように、
「しょ、しょうがないわね!じゃあ付き合ってあげるわよ!勘違いしないでよね!私は嫌々来てるだけなんだからね!あ、あんたの事なんか興味無いんだから!」
と、コンパスを使って描いたかのように見事な円形の頬紅を少し膨らませた。
木更津は目を輝かせると、握っていた茨の手をそのまま引っ張り、
「うん!有難う!じゃあ、行こう!早く行こう!」
そのまま桐海サファリパーク入口をくぐり抜けた。


