第2幕
あの日、雅先生に言われたのは…。
「澤田!地区大会の日、ベンチに入ってスコアを書け!」
「どうしてあたしなんですか?」
「澤田は、全員の体調を1番に把握しているはずだ!酒井よりも、お前がベンチで選手の事をよくみてやれば、このチームはうまくいく!
だから、お前は地区大会の日、ベンチでスコアを書いてくれないか?返事は、8月20日までに俺に言ってくれればいいから!」
「わかりました!考えてみます!」
「寧々先輩!大丈夫ですか?」
「莉里ちゃん!どうしたの?なんかあった?」
「いや、地区大会のベンチでのスコアって大変って言うじゃないですか?大丈夫なのかなって思って…。」
「心配してくれてたんだね。ありがとう!大丈夫!地区大会のベンチでのスコアは書けるから大丈夫だよ。心配してくれてありがとう!」
「あんまり、無理しないで下さいね!」
「ありがとう!練習に戻ろっか!ランニング10周終わる頃だから!」
「はい!戻りましょう!」
部屋から出てくる2人に部長と副部長が話しかけてきた。
「寧々、莉里!何かあったのか?雅先生に呼ばれてたみたいだけど。」
「何かあったなら、言えよ?俺らは、お前らの味方だからな!」
「ありがとうございます!実は、地区大会の日にベンチでスコアを書いて欲しいと雅先生に言われました。正直、まだ迷ってます。やれるのかどうか…。」
「寧々先輩…。」
「澤田!お前なら大丈夫だ!地区大会のベンチでのスコアならお前ならかける!1番俺たちをみてきたのは、お前だ!だから、俺らのために書いてくれないか?頼む!」
「わかりました!書きます!明日、雅先生には直接わたしから伝えてきます!」
「ありがとうな!澤田!」
「ありがとうな!寧々!」
「いえ!部長と副部長のおかげです!こちらこそ、背中を押して頂いてありがとうございます!本当に!わたし1人だったら、きっとお断りしてたこと思います。」
「よかった!俺らには、やっぱり、澤田や酒井がいないとだめだから!」
「はい!ありがとうございます!がんばります!わたし!」
「練習終わりですよね?部長・副部長!
 お疲れ様でした!今日も素敵でした!」
「おう///ありがとうな!」
なんで、部長と副部長照れてるのかな…。
「あたしたちも、片付けして帰ろう!」
「そうですね!片付けして帰りましょう!」
「莉里ちゃん!何で、部長も副部長が今日照れたか知ってる?」
「それは、寧々先輩が"素敵でした"とか言うからですよ!」
「そうなの?!」
「そうですよ!寧々先輩のこと好きって言うサッカー部員沢山いますから!」
「そうなの?!なら、その人たちのためにも地区大会は、スコアがんばらないと!」
「莉里ちゃん!クレープ食べて帰らない?」
「いいですね!行きましょう!」
寧々先輩は、無理して笑うことが多くなった。どうしたんだろう。尭先輩と何かあったのかな。今日聞いてみようかな。
寧々先輩の携帯がピコンとなった!
〜LINE〜
尭(寧々、この前はごめんな。)
寧々(あたしの方こそごめん。)
尭(何かあったのか?)
寧々(雅先生に地区大会の事でちょっとね。)
尭(地区大会?8月20日のやつか。。。)
寧々(地区大会の日、ベンチでスコアを書けって言われちゃったの。)
尭(うん。それで、寧々はどうするの?)
寧々(部長と副部長からあたしにやってほしいって言われたからやることにした。やるからにはとことんがんばる!)
尭(そっか。スコアってお前書けるのか?)
寧々(書けるから!今までの大会のスコアだってあたしが書いてたんだから!)
尭(あ!そうなの?)
寧々(知らなかったの?ひどい!)
尭(ごめん!今度の日曜日暇か?)
寧々(いいよ!許す!暇だけど…。)
尭(あのさ、映画観に行かない?)
寧々(いいよ!何の映画?)
尭(君には僕が必要だ!って言う映画!みたいって言ってたやつだよ!寧々が!)
寧々(みたい!絶対行こうね!☺️)
尭(おう!じゃあ、日曜日13時半に高山駅集合な!)
寧々(了解!)
何か嬉しい。何か胸がザワザワする!
これって恋なのかな。
え?!尭を好きって事?!まさかだよね。
ちょっと頭冷やそう!あたし!
「寧々先輩!寧々先輩!」
「あ!なに?!莉里ちゃん!」
「尭先輩と何かあったんですね?」
「日曜日に映画に行こうって誘われた!」
「えー?!デートじゃないですか!」
「嫌々、デートじゃないよ!いつも遊んでるから笑」
「尭先輩!絶対寧々先輩が好きですよ!」
「え?!なわけないじゃん!よし!帰ろう!」
「あ!はい!」
尭があたしを好きなんてありえない。
ただの幼なじみだし。うん。
とりあえず、平常心!明日もがんばる!