「天、教室からコイツのカバン持って玄関に来い。
俺はこのままコイツ連れて帰る」
「……気付いてたのか?」
「なにが?」
「千花ちゃんの体調が悪かったの」
「……まぁね」
「……そ。
なるべく早く行くわ」
うっすら聞こえる2人の会話。
その後、1つの足音が遠ざかっていくのがわかった。
また眠気が襲ってきた時、「おい」って声がすぐ傍で聞こえた。
「乗れるか」
「え…」
「寝るなら俺の背中乗ってから寝ろ」
目の前には、私に背を向けて跪いてる昴くん。
「……おぶってくれるの?」
「そうだよ。
早く乗れ」
昴くんが私をおんぶしてくれるとか。どんな夢?



