「ありがとうゆきくん、助かったよ」
「当番って、一人じゃないだろ。
なんで他のやつはなにもしねーの?」
「……みんな、すぐ帰っちゃうから…」
雪森くんと喋ってる間に、
急に頭がクラクラしてきた…。
「千花ちゃん?」
雪森くんの声が聞こえたあと、
倉庫の外から、女の子の声がした。
「雪森くん、さっき倉庫入ってかなかった?」
「ほんとー?」
「……!」
聞こえた声に雪森くんが反応して、
私の腕を引っ張って、物陰に隠れた。
「いないじゃん」
「もう帰っちゃったかなぁ」
女の子たちは倉庫に入ってくることなく、
ちょっと中を見回してから、すぐにいなくなった。