体育倉庫からボールを入れるカゴを持ってくると、ボールを持った人たちがカゴにどんどんボールを入れていく。
私は転がったまま放置されてたボールを拾っていたら
ひょい、と誰かにボールを奪われた。
「手伝う」
「雪森くん…」
雪森くんは軽々とボールを抱えて、カゴにしまってくれた。
「ありがとう、ゆきくん」
「気にしないで。
これ、あとは倉庫に戻せばいい?」
「うん」
気づけばもうボールは全部片付いていて、雪森くんがカゴを倉庫の方へ運んでくれる。
私はまだ出しっぱなしになっていたスコアボードを持って、雪森くんについて倉庫に入った。