「まぁ、喧嘩もするけど、
仲良い方なんだと思う」



「仲良さそう」



「っていうほど仲良いかなぁって思うけど」



「ぷっ、どっちなの」




笑いながら応えたら、


雪森くんがピタ、と足を止めた。




「どうしたの?
遅刻するよ?」



「……あー…うん」




またゆっくり歩き出した雪森くんが、



「…笑った」って小さく呟いた。




「え、ごめん、気分悪くした?」



「ううん。
笑ってるとこ、あんま見たことなかったから」



「そうかな?」




あ、でも友達もいないし、



笑ったりすること、あんまりなかったかも。