「あの頃は、友達が私しかいなかったから私とずっと一緒にいただけだよ。
小学校になったら、まわりの男の子たちに混ざって女の子からかうようになって…
私もされたし。だから私は昴くんが大嫌いだし、昴くんも私が嫌いなの」



「へぇー。昴、そんな最低人間になってたんだね」



「ほんと、可愛げないよね」




ふふ、と笑ったら




「うぇっ」




急に、後ろからお腹に手がまわってきて、体が後ろに引っ張られた。




「あ、昴」



「やっぱコイツ俺が送る。
俺のいないとこで随分悪口言ってたみたいだしな?」




背中の方から聞こえてくる声に、顔を見てなくてもゾッとする。



昴くん、怒ってる。確実に怒ってる。



可愛げないとか言ったの、聞いてたんだ。