言葉の裏に“愛”なんてない。可愛げもない。
時間が経てば経つほど、昴くんへの苦手意識は強くなるばかり。
そのくせ、私以外にはキラキラ笑顔を振りまいて、“王子様”ともてはやされてるのも気持ち悪い。
高校に入ったら、さっきの金髪ヤンキーみたいなのとつるんでるし。
どこがいいの。あんなヤツ。
……そりゃあ、顔なんでしょうけど。
「夏原くーん」
「なに?」
「放課後カラオケ行かない?」
ほら、今だって。
廊下で堂々と女の子にカラオケ誘われちゃって。
「いいよ。
コイツらも一緒でいい?」
「いいよー♡」
笑顔振りまいて、女の子はキャーキャー黄色い声をあげている。