くるくるとコーヒーを混ぜていると


目の前に千円札が2枚置かれた。




「……え」



「これだけしかないけど…
なんでも頼んでいいよ」



「……いらないよ。
コーヒーも自分で払うから」



「でも…」



「いらないってば」




渡されたお金を突き返したら、



さなちゃんは顔を俯かせた。




「……ごめんね」




俯かせたまま、ポツリとそう呟いたのが聞こえた。




「……なんの話?」



「昨日、迷惑、かけて…」




昨日のは、昴くんが悪い。



昨日のことで謝られる意味はわかんない。