「……もう食べ終わったから、
自分の席戻るね」
なんだかすごく、ここから離れたくなって立ち上がった。
「は?食べ終わってねーじゃん」
「他人のスマホに触れたご飯なんて、食べられないから」
「……ごめん」
昴くんが素直に謝ってきて、ちょっとだけ申し訳なくなる。
でも、食べ物の怒りはすごいんだからね。
「……だから騒がしいのは嫌いなの」
「……は?」
「食堂だったら、うるさくてもこんなことにはならない。
昴くんといるとこういうことが起こるから嫌なの」
全部昴くんのせいだ。
お弁当が台無しなのも
こんなにイライラするのも…
「……じゃあ、俺のメロンパンよかったら食べ…」
「いらない。
昴くんからもらったものなんて食べたくないから」