「……わざわざありがとう」




普通に玄関から入って来れば良くない?と言おうと思ったけど


そんなこと言わなくても、もううちに来ることもないだろうと思って黙った。




「……」



「………あ」



「…なに?」




昴くんが突然、なにかに気付いたような声を出した。




「…おまえ、カバンにあんなマスコット付けてたっけ?」



「あぁ…。
今日ゆきくんにもらったの」



「………あそ」




自分で聞いといて、興味なさげな返事。



だったら私も、軽い気持ちで聞いていいだろうか。




「……昴くん」



「なんだよ」