好きな人の幸せが1番なのはわかっている。
わかっているはずなのに、俺は花ちゃんを自分で幸せにしてあげたいみたいだ。だけど今この状況にすごく後悔している。
『…花ちゃんごめんね、俺が、自分の事しか、考えられていなかった…っ』
目頭を抑えて、一筋の涙が流れた。
こんなにも大好きなのに、君の隣にいる事がこんなにも辛いだなんて。自分のしたことは間違っていたんだと、今気づいても遅い。
この場所に連れ出したのも花ちゃんのためだと思ってした行動だけどそれすらも間違ってたみたいだ。
空が花ちゃんに話しかけてくるなんて予想外だった。サラとうまくいってることを見せびらかすかのようにお揃いのピアスまで付けて花ちゃんの横にどかっと座ったことが本当に癪に触った
空には今サラがいるんだから、花ちゃんにまで欲張らないでよ
フツフツと込み上げるまた黒い嫉妬。
花ちゃんを見るとどこか辛そうに、耳を赤くしていた。俺たちを挟んで和気あいあいと話す空たちに耐えられなくなった。
そして俺は勝手に体が動いていて、花ちゃんをその場から連れ出していた。
友情よりも自分の恋愛をとってしまった。
これはきっと神様の罰だろうか。
はぁとため息をついて気持ちを落ち着かせていると
自分の背後から聞こえるか細くて高い声。
〈…先輩、大丈夫…ですか、〉
ギュッと後ろから抱きしめられれば俺は最低だからこう思う。
『うん、何もないよ、ありがとう…』
この子が花ちゃんだったらいいのに、って