ここで気付かせてしまえば、空はサラを振り、いつかは空と花ちゃんは結ばれてしまうのだろう。

花ちゃんは空に恋しているから絶対にうまく行くんだろうな。もう黒い感情で覆われた自分は、何するか決めてて


『空、それは違うんじゃない?』


俺は親友を間違った方へと進ませたんだ。



『多分、空が花ちゃんを思い浮かべるのって最近ずっといたからじゃない?』


違う


『だってサラとは最近話してなかったけど前からあの子綺麗だな〜って思ってたって言ってたじゃん』




屁理屈だ





『やっぱり妹だと思ってるからまた違う特別な感情があるんじゃないかな?』


ごめん、空、花ちゃん



黒い感情に覆われた自分を止めることはできなくて


『……確かに…そうかもしれないね…』


納得のいくような行かないような、空は中々腑に落ちてない感じだったけど


『うん、俺、サラと付き合ってみようかな』


そう一言言ったのだ。


こんなことしても花ちゃんは自分のところに来る確証だなんてないのに。

話し出すと、止まらなかった。イライラしすぎて必死だった。




花ちゃんに空に彼女ができたと言ったのも早く諦めて俺のところに来て欲しかったから。


でもその日から花ちゃんは目を腫らして学校に来る事が多くなった。毎日空を想って泣いているのかと思うとやっぱり悔しくて、自分が情けなくなった。





罪滅ぼし。



そういうのじゃないけど、花ちゃんのそばには俺がずっといなきゃいけない、いや、ただずっとそばにいたいんだ。


そう言い聞かせて、自分が求めて手に入れた花ちゃんの仮の隣なのに全然幸せに感じないのはきっと花ちゃんがむけてくれる俺への目線と、空への目線は全く違うものだから。


花ちゃんは今もまだ空が好きという事が自分の胸に突っかかっていた。


苦しい