俺のだから

ウザイ女どもを追い払い、唯一休める図書室にきた。昼休みになると、いつもここにくる。俺は本も好きだし、図書委員の委員長はクソ怖いっていう噂があるから、女はここにこない。いつものように、図書室の扉を開けるとそこにはカウンター内で静かに本を読む女の姿があった。
（うわ、今日の当番女だっけ？）
そう、俺は女に対して俺をただの自慢道具と
してみてるやつと思っているし実際そうだから俺は女は嫌いだ。いつもなら、委員長が
必ず居るからいいんだけど…
今日は委員長の姿が見当たらない。
（最悪だ…今日は本返さないとだし）
俺は渋々カウンターに行き
「あの、これ返却したいんですけど。」
「…」
「あの、」
「…」
なんだこいつ？聞く耳を持たねぇ。
俺は女の肩をトントンと叩いた。
さすがに気づいたのか、
「わぁ！、すみません！気づかなかったです…」
彼女は立ち上がりペコペコと頭を下げた。
（こいつ、俺に気づかず本よんでたってことか？）
俺はどんな自意識過剰なことを考えているの
だろう、と思ったがそいつは声のトーンを
変えずに
「返却ですね。」
といいながら俺から本を取り、パッと本の
バーコードを読み込んだ。俺は思わず驚き、
「え？」
と言ってしまった。俺の言葉が聞こえたのか
彼女は
「え！返却じゃなかったですか？！失礼しました！…」
と、しまったと言う顔をしてこちらを見ていた。俺はその顔を見て
「はは！俺返却じゃないなんて一言も言ってないし、君が謝る必要なんてないよ！」
彼女は俺につられて
「え、あ、そうですよね！あはは！」
と笑った。