でもそれを無理に聞き出しては駄目なんだよね。



「冬馬学校はどう?」



『まあまあかな。沢田がかなり俺に気をつかってくれるから、


いやすいけど。中学もろくに行ってなかったから、


授業に全くついていけねぇ。』



大丈夫だよ。



冬馬は自分で変わろうとしている。



「私も勉強は嫌いだった。数字は赤点スレスレで、いつも一輝の特訓を受けていたよ。」



『ああそれで付き合うようになったのか?』



「違うよ。付き合うようになったきっかけは、住んでいたマンションが隣同士だったからかな。」



『ふーん。それでどっちが先に好きになった訳?』



「それは多分同時かな?」



自分で言って恥ずかしくなった。



「一輝は私の初恋、初彼なんだよね。」



『なんだよそれ。』



冬馬が優しい穏やかな顔をした。



「私一輝に運命を感じたんだよね。


私絶対この人といたいって思った。」



『運命か。』



冬馬はもう運命の人に出会えたのだろうか?