母さんの作ったおにぎりは三角しゃなくて丸かった。


あまり味がなくて、食べたらおにぎりがバラバラになっちやって、


私の涙でおにぎりが丁度いい味になる。



勇人さんはおにぎりを見て大爆笑。



何も出来ない母さんが、必死におにぎり握る姿が思い浮かぶ。



やだ涙が止まんないよ。



『華の泣き虫。』



勇人さんも一個食べてみてとおにぎりを渡した。



勇人さんが私たちに背中を向ける。



『俺もらい泣きしそう。』


私のが移った?



『カオリ昨日ずっと泣いて自分を責めてた。


私は華を捨てたんだって。

華だけに辛い思いさせて私だけが幸せになれない。


そう言って泣き止まなくてさ。


だから今からでも遅くないって言ってやった。


華ちゃんカオリに甘えてやって。


頼りない母親たけど、思い切り甘えて抱きついてやってほしい。』



勇人さんの言葉が胸に響く。



母さんに甘えた事一度もなかったな。



母さん甘えてもいい?