男性陣がそんな話をする中、ブランシュは気にすることなく図書室へと入る。医大の図書室には医学書がたくさん置かれ、わからないことをすぐに調べられる。勉強好きのブランシュにとって、図書室は一番勉強にもってこいの場所だ。

「さて、今日はどこを勉強しようかしら……」

参考書を広げ、ブランシュはとりあえず前回勉強したところを復習していくことにした。ノートにペンを走らせるその姿でさえ映画のワンシーンのように美しく、多くの人の視線が集まる。

しかし、ブランシュは気にすることなく勉強を続けた。一度集中すると周りのことなど気にならなくなってしまうのだ。

「ねえ、ねえってば!」

勉強を始めて何時間経っただろうか。強めに肩を何度も叩かれ、ブランシュはようやく現実に戻る。窓の外を見れば、勉強を始めた時には青かった空がもうオレンジに染まっている。

「ねえ、俺のこと見てよ」

窓の外を見ていたブランシュは、誰かに頬を包まれて強制的に目を合わせられる。ブランシュの瞳に映ったのは、金髪に青い瞳を持ち派手で露出のある服を着た男性だった。