香澄side
この前の成人式の日にあった同窓会で瑚々に会った。
瑚々が付き合っていたことを記憶障害で忘れてから、受験生ということもあってか会う回数が少なくなっていった。
すごく、会いたくて会いたくて病院の前まで行ったこともあったが、会いに行って「瑚々」と名前を呼んでも、驚かれて『宮槻くん』と呼ばれる。
5年たった今、久しぶりに瑚々が入院していた病院である人を待っている。
『宮槻くん......かな?』
待合フロアで待っていた俺に声を掛けてきたのは、5年たってもほとんど見た目が変わっていない瑚々の担当医。
俺は、今日この人に会いに来た。
『驚いたよ。まさか、ここまでカッコよくなってるなんて』
案内されたのは、瑚々が記憶障害と聞かされた診察室。
久しぶりに嗅ぐこの病院特有の消毒液の匂いが俺の鼻をくすぐりながら瑚々の担当医は淡々と話し始める。
『今日は、どうしたの?具合悪いわけじゃなさそうだけど』『あの、瑚々のこと、まだ担当してますよね。』
入院していなかったから担当医が変わっているかもしれない。と思ってた部分もあって確認のためにきいたことが、相手には何を今日しにきたかが伝わったらしい。
『今でも、僕は瑚々ちゃんの担当医だよ。宮槻くん、やっぱり記憶のこと......かな?』
『は......い。まだ、瑚々の記憶が戻ってないんです。こんなに長い間戻らないことって、あるんですか!?』
『そうだよね。残念だけど、今の医療状態も5年前と何も変わってない。でも瑚々ちゃんは定期診察に来るだびに少しずつ大人っぽく変わったなーとは思うけど、状態が悪化したことは、この5年間一度もないよ。』
悪化してないと聞いて安心した反面、このまま、もしも。という考えが頭から離れない。
『今は、瑚々ちゃんとは会ってる?』
「この前の、成人式の日偶然同窓会で。でもやっぱり思い出してないみたいで。』
『もう、成人かぁ~。早いね。」
感慨深いような表情をしてるけど、やっぱりまだ、医療の力では無理なのか。
何年後かは、いや。何十年後かもしれない。
医療の進歩があって、記憶障害も治せるようになっていてほしいと心から願うことしか出来ない。
色々質問したけど何もヒントになりそうなことはなかった。
お礼を言って帰ってきたけど、もうそろそろ限界なんだよな。実際大学通ってて全くモテないわけじゃないし。ていうかモテまくりだし。
でも、どうしても、瑚々が好きで、あれきり誰とも付き合ってない。
告白されても、好きな人がいるといって断り続けて今もなおそのまま。
今度会ったら、というか会えるのか。さえ分からないけど、もうただのクラスメイトだった人じゃないし気持ちを伝えても大丈夫なのではないか。
もう、5年たったけど今も瑚々に恋焦がれ続けている。
瑚々、そろそろ思い出してよ。
香澄sideFin
この前の成人式の日にあった同窓会で瑚々に会った。
瑚々が付き合っていたことを記憶障害で忘れてから、受験生ということもあってか会う回数が少なくなっていった。
すごく、会いたくて会いたくて病院の前まで行ったこともあったが、会いに行って「瑚々」と名前を呼んでも、驚かれて『宮槻くん』と呼ばれる。
5年たった今、久しぶりに瑚々が入院していた病院である人を待っている。
『宮槻くん......かな?』
待合フロアで待っていた俺に声を掛けてきたのは、5年たってもほとんど見た目が変わっていない瑚々の担当医。
俺は、今日この人に会いに来た。
『驚いたよ。まさか、ここまでカッコよくなってるなんて』
案内されたのは、瑚々が記憶障害と聞かされた診察室。
久しぶりに嗅ぐこの病院特有の消毒液の匂いが俺の鼻をくすぐりながら瑚々の担当医は淡々と話し始める。
『今日は、どうしたの?具合悪いわけじゃなさそうだけど』『あの、瑚々のこと、まだ担当してますよね。』
入院していなかったから担当医が変わっているかもしれない。と思ってた部分もあって確認のためにきいたことが、相手には何を今日しにきたかが伝わったらしい。
『今でも、僕は瑚々ちゃんの担当医だよ。宮槻くん、やっぱり記憶のこと......かな?』
『は......い。まだ、瑚々の記憶が戻ってないんです。こんなに長い間戻らないことって、あるんですか!?』
『そうだよね。残念だけど、今の医療状態も5年前と何も変わってない。でも瑚々ちゃんは定期診察に来るだびに少しずつ大人っぽく変わったなーとは思うけど、状態が悪化したことは、この5年間一度もないよ。』
悪化してないと聞いて安心した反面、このまま、もしも。という考えが頭から離れない。
『今は、瑚々ちゃんとは会ってる?』
「この前の、成人式の日偶然同窓会で。でもやっぱり思い出してないみたいで。』
『もう、成人かぁ~。早いね。」
感慨深いような表情をしてるけど、やっぱりまだ、医療の力では無理なのか。
何年後かは、いや。何十年後かもしれない。
医療の進歩があって、記憶障害も治せるようになっていてほしいと心から願うことしか出来ない。
色々質問したけど何もヒントになりそうなことはなかった。
お礼を言って帰ってきたけど、もうそろそろ限界なんだよな。実際大学通ってて全くモテないわけじゃないし。ていうかモテまくりだし。
でも、どうしても、瑚々が好きで、あれきり誰とも付き合ってない。
告白されても、好きな人がいるといって断り続けて今もなおそのまま。
今度会ったら、というか会えるのか。さえ分からないけど、もうただのクラスメイトだった人じゃないし気持ちを伝えても大丈夫なのではないか。
もう、5年たったけど今も瑚々に恋焦がれ続けている。
瑚々、そろそろ思い出してよ。
香澄sideFin
