私には、意識がなかったときの記憶がうっすらと残ってる。
毎日、隣にいてくれた女性。これはきっとお母さん。
お医者さんっぽい人もいた。
それと、どんな人だったかは思い出せないけど、毎日ではなくてたまに、病室に来ては私の手をずっと握ってくれてた人。
でも、その人のことは起きてからは思い出せない。
その代わりに、クラスメイトの宮槻くんという子が週に1度会いにきてくれて、学校のお便りを持ってきてくれる。
華鈴ちゃんという仲良しの子もいて、今は病気が辛くない。
大好きなアーティストさんもできた。
病室でその人達の曲を聴いたり投稿してる動画をみたりして気づいたら好きになってて......。
今も、発作がないとは言えないけど、だいぶいい調子だとお医者さんから聞いている。
学校に行けるくらい回復はしてないから院内学校に週に3回行って少しずつ取り戻そうとしてる。
高校も、私立のほうが良いってお母さんと話し合って決めて私立を受験するつもり。
発作が起きなければ普通の子と同じなのに病気は意地悪だからここぞというときに発作が起きてしまう。
でも、発作の対処法とかも急に視覚に起きない限り、慣れてきて自分で分かったり周りの人に説明できるくらいにはなった。
我ながらすごいと思う。
毎日検査もあるし、体力を使わない検査なんてないけど、さっき言った好きなアーティストさんの曲とか聞いたり見たりしてると発作が起きてないことへの安心感が大きくなってく。
だから、辛くはない。むしろ、生きていられて発作が起きなくて好きなものもあってすごく幸せだと感じることが増えた。もう少ししたら心から幸せって言う感情に出会ってみたい。とか夢見たりしてて......。
早く現れないかなぁ~。私の王子様......。
どれだけ少女マンガ脳なんだろう。と自分でも思った。
異性のことを「「王子様」」と呼ぶ日がくるなんて。