次の日、俺は学校に行ったが佐藤は体調不良で休みだった。
昨日の瑚々を思い出すと、何もかもやる気が失われていくようであっという間に1日が過ぎていく。
瑚々、今日は起きてくれた?
そう思い、ただ瑚々の名前を呼ぶだけのメッセージを送る。
「どうしたの?」って返事が来てくれますように......。
その日、瑚々からメッセージの返信がくることはなく、不安でいっぱいの一日に幕を下ろした。
次の日の朝になっても、既読はつかず「おはよう」と送って学校へ向かった。
週の最後の日なのに、休みが楽しみではない。瑚々に会える日曜日が近づいているのに。
自分が不思議で仕方なかった。
瑚々に会いに行くことが1週間の俺のモチベーションのはずなのに。
瑚々は起きてる。いつもより少し苦しくて返事を返せないだけで起きてる。
そう祈ることしかできない毎日がそろそろ限界に近かった。
日曜日。
俺は、いつも通り瑚々の病室に向かった。
「香澄くん、来てくれてありがとう。」
そう言って出迎えてくれた瑚々のお母さんは帰ってないのか、睡眠をとってないのか、どちらかは分からなかったけど、かなりやつれているように見えた。
「ん......。」
突然、瑚々の声が聞こえて駆け寄った......けど、意識が戻ったわけではなくて、ただ、何か苦しんでいるような。そんな様子だった。
瑚々のお母さんは、最近こういうことがあるんだ。という。
担当医の先生も、 こんなに意識が戻らないとなると最悪の事態も考えておいたほうがいい。と回診にきたときに言ったと教えてくれた。
瑚々はまだ生きてるのに、心臓が動いて、呼吸をして、起きてはないけど声も出てる。のに最悪の事態を考える?頭がついていかない。
その日、俺は瑚々の担当医の先生に時間をとってもらい話すことをお願いした。
『こんにちは。彼氏さん。話したいって聞いてたんだけど......』
時間をつくってくれた担当医の先生は、なんでも答えられるかは分からないけど聞くよ。と言ってくれた。
『瑚々のお母さんから色々聞いてて、その......後遺症って何があるんですか。』
最悪の事態のことも聞きたかったけど、聞いてしまったら、もう瑚々が目を覚まさないみたいなことになるから辛さが勝って聞くのをやめた。
『後遺症っていっても、先天性。つまり生まれつき病気をもって生まれてきてしまった子と後天性。成長してから病気になっちゃった子でかなり病気の進行スピードやその症状、悪化する条件というか理由が違うんだ。
先天性でこの病気にかかっている患者さんを見たことは僕もなくて外国の症例。つまり珍しい病気の報告書みたいなのを見比べることしかしてないから
後天性の患者さん。瑚々ちゃんがこんなに長く意識が戻らない理由、後遺症が残る可能性しかはっきりはしてない。』
後天性感覚神経失感症 瑚々は今、一生懸命それと戦ってる。
『意識が戻らない理由は分かってるんですよね?それは何なんですか。』
『日頃からのストレス、疲労、酸欠になることが多かったみたいで、瑚々ちゃんが急変したあの日、発熱してて39.8度を示していたんだ。』
瑚々が俺に病気のことを教えてくれた日、瑚々は言ってた。発熱したときに発作を起こすと呼吸困難になる。と。
『あの、瑚々にとって、その......キスとかそういうのも酸欠になることってあるんですか?』
『ないとはいえないけど......、彼氏さん。いや、宮槻くん、君が苦しい思いしながら自分のせいだと悩んでも瑚々ちゃんは喜ばないよ。』
俺のせいだ。と思い始めたときに、瑚々は喜ばないときいてマイナスになるのをやめた。
『瑚々ちゃん、言ってたよ。君が会いにきてくれる日曜日に元気で迎えられるように治療を頑張る。って。彼氏が出来たって教えてくれたとき、今までで一番元気そうで、すごく、嬉しそうな顔して君のことを教えてくれた。
カッコよくて、いつも助けてくれて、優しくて、自分のことを一番分かってくれてて、なにより、笑ったときの顔がとてつもなく可愛いんだ。こっちまで笑顔になれるんだ。って』
瑚々はそんなふうに俺のことみてたのか......。
目からは涙が止まらなくて目の前が見えなくなるくらいだった。
珍しくて、治るか分からない。もしかしたら死ぬまで一緒の病気かもしれない。
瑚々が学校で倒れた日に泣きながら教えてくれた。
もう、俺が好きだった瑚々じゃないとも言われた。
そんな瑚々に腹が立ったんじゃない。あのときはそんな瑚々が可愛すぎてキスをした。
お互いに初めての。
『希望を持ち続けよう。宮槻くん。起きないわけじゃない。起きるんだ。瑚々ちゃんは目を覚ます。宮槻くんが信じないと何も始まらないんだよ。』
俺が、瑚々を信じる。希望を持つ。
今の俺には出来ることがないと思ってたけど、あったんだ。できること。
信じて希望をもってその場で立ち止まらない。前に足を踏み出して、目の前の道を進み続ける。
『はい。』
泣いてた俺の気持ちは悔しいでも、辛いでもなくて、頑張ろうだった。
瑚々のこと大好きだから。愛してるから。
昨日の瑚々を思い出すと、何もかもやる気が失われていくようであっという間に1日が過ぎていく。
瑚々、今日は起きてくれた?
そう思い、ただ瑚々の名前を呼ぶだけのメッセージを送る。
「どうしたの?」って返事が来てくれますように......。
その日、瑚々からメッセージの返信がくることはなく、不安でいっぱいの一日に幕を下ろした。
次の日の朝になっても、既読はつかず「おはよう」と送って学校へ向かった。
週の最後の日なのに、休みが楽しみではない。瑚々に会える日曜日が近づいているのに。
自分が不思議で仕方なかった。
瑚々に会いに行くことが1週間の俺のモチベーションのはずなのに。
瑚々は起きてる。いつもより少し苦しくて返事を返せないだけで起きてる。
そう祈ることしかできない毎日がそろそろ限界に近かった。
日曜日。
俺は、いつも通り瑚々の病室に向かった。
「香澄くん、来てくれてありがとう。」
そう言って出迎えてくれた瑚々のお母さんは帰ってないのか、睡眠をとってないのか、どちらかは分からなかったけど、かなりやつれているように見えた。
「ん......。」
突然、瑚々の声が聞こえて駆け寄った......けど、意識が戻ったわけではなくて、ただ、何か苦しんでいるような。そんな様子だった。
瑚々のお母さんは、最近こういうことがあるんだ。という。
担当医の先生も、 こんなに意識が戻らないとなると最悪の事態も考えておいたほうがいい。と回診にきたときに言ったと教えてくれた。
瑚々はまだ生きてるのに、心臓が動いて、呼吸をして、起きてはないけど声も出てる。のに最悪の事態を考える?頭がついていかない。
その日、俺は瑚々の担当医の先生に時間をとってもらい話すことをお願いした。
『こんにちは。彼氏さん。話したいって聞いてたんだけど......』
時間をつくってくれた担当医の先生は、なんでも答えられるかは分からないけど聞くよ。と言ってくれた。
『瑚々のお母さんから色々聞いてて、その......後遺症って何があるんですか。』
最悪の事態のことも聞きたかったけど、聞いてしまったら、もう瑚々が目を覚まさないみたいなことになるから辛さが勝って聞くのをやめた。
『後遺症っていっても、先天性。つまり生まれつき病気をもって生まれてきてしまった子と後天性。成長してから病気になっちゃった子でかなり病気の進行スピードやその症状、悪化する条件というか理由が違うんだ。
先天性でこの病気にかかっている患者さんを見たことは僕もなくて外国の症例。つまり珍しい病気の報告書みたいなのを見比べることしかしてないから
後天性の患者さん。瑚々ちゃんがこんなに長く意識が戻らない理由、後遺症が残る可能性しかはっきりはしてない。』
後天性感覚神経失感症 瑚々は今、一生懸命それと戦ってる。
『意識が戻らない理由は分かってるんですよね?それは何なんですか。』
『日頃からのストレス、疲労、酸欠になることが多かったみたいで、瑚々ちゃんが急変したあの日、発熱してて39.8度を示していたんだ。』
瑚々が俺に病気のことを教えてくれた日、瑚々は言ってた。発熱したときに発作を起こすと呼吸困難になる。と。
『あの、瑚々にとって、その......キスとかそういうのも酸欠になることってあるんですか?』
『ないとはいえないけど......、彼氏さん。いや、宮槻くん、君が苦しい思いしながら自分のせいだと悩んでも瑚々ちゃんは喜ばないよ。』
俺のせいだ。と思い始めたときに、瑚々は喜ばないときいてマイナスになるのをやめた。
『瑚々ちゃん、言ってたよ。君が会いにきてくれる日曜日に元気で迎えられるように治療を頑張る。って。彼氏が出来たって教えてくれたとき、今までで一番元気そうで、すごく、嬉しそうな顔して君のことを教えてくれた。
カッコよくて、いつも助けてくれて、優しくて、自分のことを一番分かってくれてて、なにより、笑ったときの顔がとてつもなく可愛いんだ。こっちまで笑顔になれるんだ。って』
瑚々はそんなふうに俺のことみてたのか......。
目からは涙が止まらなくて目の前が見えなくなるくらいだった。
珍しくて、治るか分からない。もしかしたら死ぬまで一緒の病気かもしれない。
瑚々が学校で倒れた日に泣きながら教えてくれた。
もう、俺が好きだった瑚々じゃないとも言われた。
そんな瑚々に腹が立ったんじゃない。あのときはそんな瑚々が可愛すぎてキスをした。
お互いに初めての。
『希望を持ち続けよう。宮槻くん。起きないわけじゃない。起きるんだ。瑚々ちゃんは目を覚ます。宮槻くんが信じないと何も始まらないんだよ。』
俺が、瑚々を信じる。希望を持つ。
今の俺には出来ることがないと思ってたけど、あったんだ。できること。
信じて希望をもってその場で立ち止まらない。前に足を踏み出して、目の前の道を進み続ける。
『はい。』
泣いてた俺の気持ちは悔しいでも、辛いでもなくて、頑張ろうだった。
瑚々のこと大好きだから。愛してるから。