昼休みになって、先生と約束していた数学準備室に行った。先生は『どうしたの?話したいことがあるなんて』と聞いてきた。
私は、人に初めて話すことから緊張と恐怖心を抱いていた。「先生、私 感覚神経失感症という病気なんです。」
唐突に病名を話しちゃったけど先生には気を楽にして話せている気がした。
病名を聞いた先生は、聞いたことないという顔をしていたけど私は話し続けた。
「この前の避難訓練の日に私は気がついたら保健室にいました。先生は話しかけてくれたけど、実はあの時病気の発作が起こっていて私は先生の言っている言葉が聞こえませんでした。私の病気は五感が感じにくくなる病気です」
人に病気のことを告げることにこんなに緊張するなんて思わなかった。
話しているときは目の前に好きな人がいることを忘れて誤解させないように話すことに必死で......。
先生は、『言いづらいことなのに話してくれてありがとう』と優しく微笑んでくれた。
数学準備室から出ようとしたとき、話すことが出来たことからか足が震えて歩けなくなった。
『無理しなくていいよ。僕もまだここにいるから少し休んでいって』
「はい」
その後、私は昼休みが終わるまで数学準備室にいた。教室に戻る廊下を歩きながら私は次の定期通院の日に人に言ったんだってことを星城先生に話そうと思った。人に説明すると自分の病気を認めたみたい......。