「フリージアさん」

フィオナがもう一度声をかけると、フリージアは一瞬体を震わせるとフィオナを見る。

「フィオナ、どうしたんだ?」

フリージアは、無表情でフィオナに問いかけた。

「……フリージアさん、いつも同じ時間に部屋を出ていくので気になってついて来たんです。どうして、寂しそうな顔をするんですか?」

「……関係ない」

フィオナの問いかけに、フリージアはそう返すと再び空を見上げる。

「……そうですか……」

フィオナは、そう返すと皆のいる部屋へと戻った。部屋のドアを開けると、大学生であるエヴァン・カランコエがフィオナに近づく。

「フィオナ、依頼が来たよ」

エヴァンがそう言い切った時、フリージアが部屋に戻ってきた。

「フリージア、依頼よ。最近、若い女の子が相次いで誘拐されているらしいの。犯罪組織の名前は分かっているわ。名前は――」

特殊捜査チームのリーダーであるシオン・アカツキが犯罪組織の名前を告げた瞬間、フリージアは目を見開く。

「……フリージアさん?」

フリージアの様子がおかしいことに気づいたフィオナは、フリージアに声をかけた。反応しなかったため、フィオナはフリージアの肩を叩こうと手を伸ばす。