オスの家政夫、拾いました。1. 洗濯の変態編

「俺が彼らにとって『女らしい』ことをしているのが気に食わないらしく、一緒に遊んでくれもせず…その分俺は放課後にはずっと父のお店にひきこもって洗濯物を弄りました。その時から、大人になったらこの店を引き継ぐと思いましたね」

その話に、彩響も昔のことを思い出した。そう、確かあれは…小学校６年くらいの出来事だった。




「まおちゃん、どうしたの？？」

「さいきちゃん…」


学校に行くと隣の真央ちゃんが泣いていた。訳を聞くと、クラスの男の子にスカートを捲られたらしく、黒板を見ると「まおのパンツピンク」と汚い文字で書いてあった。カバンを投げるように自分の席におろして、彩響はそのままその男の子の前に立った。他の男子たちに囲まれ、楽しく話していたやつがこっちを見た。


「なんだよ」

「あんた、なんでまおちゃんのスカートめくったの？」

「はあ？おまえにはかんけいねーだろ」


大声を出したせいで、クラスｚのみんなが周りに徐々に集まってきた。男の子がムカッとして席から立ち上がって叫んだ。もちろん彩響はびくっともしなかった。


「おまえにはかんけいねぇだろ！」

「まおちゃんはわたしのともだちだからかんけいあるの！」

「うるせーよ、ゴリラおんな！」

「さっさとあやまって！じゃないといたいめにあうよ！」

「やるならやってみろ、このかわいげのないおんな…！」


そのまま彩響はそいつに飛びかかり、慌てて倒れたやつのズボンをそのまま下ろした。みんなの前に披露されたパンツの色は派手な虹色。そのまま黒板に走り、まおちゃんの名前を消して上書きした。「にじいろパンツダサい」


思わぬ襲撃で倒れた男の子は、大泣きしてそのまま教室を出て行ってしまった。きっと先生のところに行ったのだろう。彩響は鼻でクスッと笑い、堂々と席に座った。クラスの皆も突然のことに唖然としていたが、すぐ真央ちゃんが彩響のところに走ってきた。

「さいきちゃん…！ありがとう、かっこよかった！」

「いや、おなじことかえしただけだよ」

真央ちゃんに感謝されたように、他の人にも同じことを言われると思った。

しかし、それは彩響の勘違いだった。