オスの家政夫、拾いました。1. 洗濯の変態編

「関係ないでしょう、男でも女でも。似合うものは似合うんです」

すると、いきなり彼が花束を彩響へ差し出した。それが何を意味するのか分からず、とりあえず受け取ると、寛一さんがそのまま彩響の手を花束と一緒に握った。

「確かに、男でもお花が似合う人もいるでしょう」

触れた手が温かい。まるで自分のためにこの花をくれるようで、少し照れくさくなった。

「…でも、やはり俺よりあなたの方がよく似合います」

そのまま沈黙が流れる。突然言われた言葉の意味を理解するには少し時間がかかった。やがて、彩響は自分の顔が赤くなるのを感じた。

(この家政夫さんって…意外と…)

――あなたは綺麗だ。そう言いたいのだ、この人は。

(…意外と…恥ずかしいことをスラスラと言える人だったんだ…)

「あの、その…ありがとう…ございます」


この気恥ずかしさをどうにかしたくて、とりあえず感謝の言葉を返す。寛一さんはうなずいて、手を離してくれた。背中を見せた彼がどこかを指差す。

「あちらです、あちらに父がいます」

彩響もその方向に視線を向けた。そして、その場所を見て何も言えなくなってしまった。