オスの家政夫、拾いました。1. 洗濯の変態編

文章から嫌味の臭いがプンプンする。彩響はムカッとする気持ちを抑えて自然と返した。

「行きたい場所がありますので」

「はあ?なに、結婚相談所でも行くの?」

「違います」

「まあ、そんなところ行ってもどうせお前賞味期限過ぎているもんな」

(人を腐った豆腐扱いしやがって…)


しばらく嫌味を重ねたセクハラが続いたけど、編集長は許可を出してくれた。その後はネットで「東京―青森」チケットに予約を入れる。クレジットカードを出して、枚数は2枚。予約の詳細は印刷してカバンに入れた。


(意地でも休んで貰うわ、あの変態家政夫!)


誰も始めていない戦争に勝手に勝利した気分で、彩響は一人でくすくす笑った。




寛一さんはいつもどおり丁寧な態度で彩響を迎えてくれた。今日は玄関の掃除をしたのか、いつもいい香りがする玄関がさらに綺麗になっていた。カバンも下ろさず、彩響はさっそくバックから例の印刷物を出した。うっかりそれを受け取った寛一さんが質問した。

「これは…?」

「ちゃんと見てください」


これが一体何なのか、しばらく紙を見ていた寛一さんの目が徐々に大きくなるのが見えた。彼にとっては予想もしなかった展開だったのだろう。時間と目的地、人数まで確認した彼がため息をついた。

「一体誰ですか、俺の地元を教えた人は」

「さあ、誰でしょうね」

「…成ですね。きっと彩響さんに電話して代理とかそういう話をしたのでしょう」


「誰が教えたとか、そんなものどうでも良いじゃないですか。私も青森行ったことないし、一緒に行きましょう!行かないとこのチケット無駄になりますよ、お金が空中に飛びますよ?」