ーside 沙奈ー
本当はずっと前から怖かった。
病気が見つかって、苦しくなる呼吸や胸の苦しさに何度も死ぬことへの恐怖を感じていた。
1人、病室に取り残されることもたまらなく怖くて。
夜になると、死への恐怖心に押し潰されそうになっていた。
明日が来ないかもしれないと何度も思った。
翔太や紫苑、大翔先生との会話をしている時もこの会話が最期かもしれないと思うと怖くて仕方なかった。
だけど、そんなことは誰にも言えなかった。
自分に、大丈夫と言い聞かせながらその不安な気持ちを何度も心の奥へしまい込んでいた。
だけど、病気が進行したと聞いた今、押し込んできた不安が溢れ出していた。
「沙奈。」
治ることは無い。
根本的な治療はなくて、対処療法しか病気の発作を落ち着かせることしかできない。
そんなことは分かっている。
病気と向き合っていくために、進行させないために、内服治療や検査を受けてきたのに。
今までの治療や検査に、何の意味があったんだろう。
治すためじゃなく、病気の進行を抑えるために頑張ってきたのに。
もう、ダメなのかな?
こうやって、少しずつ病気は悪化していくの?
もう、笑って暮らせる日は来ないの?
私に、明日はこないの?
そんな日々が、怖くて、苦しくて。
行き場のない思いが募っていくばかりだった。
大翔先生の白衣を掴み、ただひたすら助けを求めていた。
言葉にしなくても、気づいてそばにいてほしかったのかもしれない。
自分の意思とは反対に出てくる言葉も。
大丈夫じゃないのに、大丈夫と言ってしまう素直になれない気持ちも。
本当は、言葉で伝えないと分からないことだってたくさんあって。
私の心を読み解く力がある紫苑や翔太、大翔先生の優しさにいつからか甘えていたのかもしれない。
「沙奈、少し落ち着いたか?」
溢れ出した涙が、落ち着いてきた頃に大翔先生は私の顔を覗き込んだ。
「うん。泣いたら…すっきりした…」
自分の気持ちを話したことで、抜け出さなかった負のループから抜け出し、少しだけ心が軽くなったような気がした。
「それならよかった。
それでも、また何かあったらもう我慢せずにすぐ話して。
俺達もなるべく、沙奈の気持ちを確認するようにはするけど、早めに沙奈の悩みや不安を軽くしたいから。」
優しく微笑み、大翔先生は再び私の腰を引き寄せ抱きしめてくれた。
温かく、優しい温もりと大翔先生の問いかけに答えるように私は大翔先生の腰に手を回しギュッと抱きしめた。
自分に、大丈夫と言い聞かせるように。
病気になんか負けたくないから。
本当はずっと前から怖かった。
病気が見つかって、苦しくなる呼吸や胸の苦しさに何度も死ぬことへの恐怖を感じていた。
1人、病室に取り残されることもたまらなく怖くて。
夜になると、死への恐怖心に押し潰されそうになっていた。
明日が来ないかもしれないと何度も思った。
翔太や紫苑、大翔先生との会話をしている時もこの会話が最期かもしれないと思うと怖くて仕方なかった。
だけど、そんなことは誰にも言えなかった。
自分に、大丈夫と言い聞かせながらその不安な気持ちを何度も心の奥へしまい込んでいた。
だけど、病気が進行したと聞いた今、押し込んできた不安が溢れ出していた。
「沙奈。」
治ることは無い。
根本的な治療はなくて、対処療法しか病気の発作を落ち着かせることしかできない。
そんなことは分かっている。
病気と向き合っていくために、進行させないために、内服治療や検査を受けてきたのに。
今までの治療や検査に、何の意味があったんだろう。
治すためじゃなく、病気の進行を抑えるために頑張ってきたのに。
もう、ダメなのかな?
こうやって、少しずつ病気は悪化していくの?
もう、笑って暮らせる日は来ないの?
私に、明日はこないの?
そんな日々が、怖くて、苦しくて。
行き場のない思いが募っていくばかりだった。
大翔先生の白衣を掴み、ただひたすら助けを求めていた。
言葉にしなくても、気づいてそばにいてほしかったのかもしれない。
自分の意思とは反対に出てくる言葉も。
大丈夫じゃないのに、大丈夫と言ってしまう素直になれない気持ちも。
本当は、言葉で伝えないと分からないことだってたくさんあって。
私の心を読み解く力がある紫苑や翔太、大翔先生の優しさにいつからか甘えていたのかもしれない。
「沙奈、少し落ち着いたか?」
溢れ出した涙が、落ち着いてきた頃に大翔先生は私の顔を覗き込んだ。
「うん。泣いたら…すっきりした…」
自分の気持ちを話したことで、抜け出さなかった負のループから抜け出し、少しだけ心が軽くなったような気がした。
「それならよかった。
それでも、また何かあったらもう我慢せずにすぐ話して。
俺達もなるべく、沙奈の気持ちを確認するようにはするけど、早めに沙奈の悩みや不安を軽くしたいから。」
優しく微笑み、大翔先生は再び私の腰を引き寄せ抱きしめてくれた。
温かく、優しい温もりと大翔先生の問いかけに答えるように私は大翔先生の腰に手を回しギュッと抱きしめた。
自分に、大丈夫と言い聞かせるように。
病気になんか負けたくないから。


