ーside 大翔ー
夜間救急外来が、やけに騒がしかった。
一段落して、休憩に入る時一瞬だけ嫌な予感がした。
その嫌な予感に、俺は思わず沙奈へ電話をかけていた。
案の定、沙奈は出るわけなかった。
時計は夜中の3時を示していた。
そりゃ、出るわけないよな。
なんだよ、このモヤモヤは。
休憩から上がり、俺は急いで救急外来へ向かう。
「沙奈が…運ばれてきます。」
休憩から戻り、救急外来の扉を開けたと同時に、冨山さんが俺に声を掛けた。
嫌な予感は見事に的中し、一気に顔が青ざめていく。
沙奈が運ばれてくる時は大体重症な状態。
いつも、命の瀬戸際まで病に追い込まれる。
俺は、急いで沙奈の情報が書かれたホワイトボードを確認する。
マジかよ…
聞きたくもなかった情報。
見たくもない情報が、ホワイトボードには書かれていた。
急いで看護師に指示を出し、処置の準備を始めた。
心停止寸前の所、沙奈は運ばれてきた。
「血圧が低い。60台。レートも30切っている。
心不全の可能性があるかもしれない。」
沙奈と同乗してきた紫苑が、冷静に判断して俺に伝えた。
「…分かった。すぐに強心剤を投与しよう。
冨山さん、ソルデム1Aでルート確保。全開でお願い。」
「はい。」
沙奈の状態が落ち着いてから、すぐにエコーの検査を行った。
心機能が著しく低下している。
これ程いきなり心機能が落ちるのか?
今まで検査をしてきて、特に大きな初見はなかったのにな…。
必要な治療と検査を全て行い、沙奈の眠りを紫苑と一緒に見守る。
翔太も、救急患者の対応が終わったらすぐにこちらへ向かうと連絡がついた。
「最近の沙奈の元気な様子を見て、完全に安心しきっていた…。
過去の事もそうだけど、病気が落ち着いてきたと勝手に思い込んでいた…。
家で喘息の発作を起こす頻度も減ってきて、心音からも異常を見つけられなかった。
それでも、こうなる前にもっと早く沙奈の状態の変化に気づくべきだった。」
ここ最近の沙奈は、喘息の発作もあまり起こしていなかったし、心臓についても特に異常は見られていなかった。
むしろ、内服治療をして不整脈が落ち着いてきたと完全に安心しきっていたのは同じだった。
「紫苑…。」
沙奈は、ゆっくり目を覚ました。
「大丈夫か?」
半分だけ体を起こした沙奈の姿を確認するように、紫苑は沙奈を優しく抱きしめていた。
「ごめんな、沙奈。また、病院に連れてきてしまって。」
紫苑の言葉に、沙奈は首を横に振った。
「沙奈、苦しくないか?」
俺も、沙奈の額に手を当てる。
「ごめんね、大翔先生。
今日は当直の担当なのに…。」
自分が1番辛いはずなのに、俺の事を気遣ってくれる沙奈は本当に優しい子だ。
「そんなこと、沙奈が気にしなくていいんだよ。
沙奈。前にも言っただろう?
沙奈が辛い時や苦しい時には、必ず傍で支えていくって。
一緒に約束しただろう?
もう、1人で抱え込んだりしないでって。」
小さい沙奈の手を取り、心配する沙奈の頬に触れ俺はそう話した。
夜間救急外来が、やけに騒がしかった。
一段落して、休憩に入る時一瞬だけ嫌な予感がした。
その嫌な予感に、俺は思わず沙奈へ電話をかけていた。
案の定、沙奈は出るわけなかった。
時計は夜中の3時を示していた。
そりゃ、出るわけないよな。
なんだよ、このモヤモヤは。
休憩から上がり、俺は急いで救急外来へ向かう。
「沙奈が…運ばれてきます。」
休憩から戻り、救急外来の扉を開けたと同時に、冨山さんが俺に声を掛けた。
嫌な予感は見事に的中し、一気に顔が青ざめていく。
沙奈が運ばれてくる時は大体重症な状態。
いつも、命の瀬戸際まで病に追い込まれる。
俺は、急いで沙奈の情報が書かれたホワイトボードを確認する。
マジかよ…
聞きたくもなかった情報。
見たくもない情報が、ホワイトボードには書かれていた。
急いで看護師に指示を出し、処置の準備を始めた。
心停止寸前の所、沙奈は運ばれてきた。
「血圧が低い。60台。レートも30切っている。
心不全の可能性があるかもしれない。」
沙奈と同乗してきた紫苑が、冷静に判断して俺に伝えた。
「…分かった。すぐに強心剤を投与しよう。
冨山さん、ソルデム1Aでルート確保。全開でお願い。」
「はい。」
沙奈の状態が落ち着いてから、すぐにエコーの検査を行った。
心機能が著しく低下している。
これ程いきなり心機能が落ちるのか?
今まで検査をしてきて、特に大きな初見はなかったのにな…。
必要な治療と検査を全て行い、沙奈の眠りを紫苑と一緒に見守る。
翔太も、救急患者の対応が終わったらすぐにこちらへ向かうと連絡がついた。
「最近の沙奈の元気な様子を見て、完全に安心しきっていた…。
過去の事もそうだけど、病気が落ち着いてきたと勝手に思い込んでいた…。
家で喘息の発作を起こす頻度も減ってきて、心音からも異常を見つけられなかった。
それでも、こうなる前にもっと早く沙奈の状態の変化に気づくべきだった。」
ここ最近の沙奈は、喘息の発作もあまり起こしていなかったし、心臓についても特に異常は見られていなかった。
むしろ、内服治療をして不整脈が落ち着いてきたと完全に安心しきっていたのは同じだった。
「紫苑…。」
沙奈は、ゆっくり目を覚ました。
「大丈夫か?」
半分だけ体を起こした沙奈の姿を確認するように、紫苑は沙奈を優しく抱きしめていた。
「ごめんな、沙奈。また、病院に連れてきてしまって。」
紫苑の言葉に、沙奈は首を横に振った。
「沙奈、苦しくないか?」
俺も、沙奈の額に手を当てる。
「ごめんね、大翔先生。
今日は当直の担当なのに…。」
自分が1番辛いはずなのに、俺の事を気遣ってくれる沙奈は本当に優しい子だ。
「そんなこと、沙奈が気にしなくていいんだよ。
沙奈。前にも言っただろう?
沙奈が辛い時や苦しい時には、必ず傍で支えていくって。
一緒に約束しただろう?
もう、1人で抱え込んだりしないでって。」
小さい沙奈の手を取り、心配する沙奈の頬に触れ俺はそう話した。


