【第2日曜日】
 麻衣子の部屋には季節感が無い。麻衣子は部屋を飾り付けない。花も飾らない。自分の部屋を生活の拠点にしていないので、飾り付けの必要を感じない。その代わり、それぞれのボーイフレンド達の部屋で目に見える景色の違いを楽しんでいる。自分の部屋ではせいぜい月の最初に部屋に帰る際にカレンダーをめくるぐらいだ。そのカレンダーの色合いが、この部屋に住むのは女性なのだという判断材料になっている。
 そろそろ季節が冬に向かっているので衣替えをすることにした。
 麻衣子は寒がりではないので、上に羽織る物を少しずつ厚手にして行くだけだ。或いは薄手の物を重ねて着る。寒がりの人からは「寒そう」と言われる。どこに言っても寒い寒いを連発する女子、男子は体質改善をしろ、と麻衣子は思っている。皮下脂肪を侮ってはいけない。人間の命を守る太古の智慧なのだから。
 さて、次は誰の部屋?