【第2水曜日】
《武夫が麻衣ちゃんの元夫だったなんて驚いたよー》
 知子からLINEが来た。結婚するつもりではいるが武夫にその気が無いようだと言っている。知子には武夫がまだ麻衣子と関係を持とうとしているなんて言えない。それとも、いっそのこと武夫のいい加減さを知らせてしまったほうが良いのか。麻衣子は悩んだ。いずれわかる時が来るなら早い方が知子のためのような気がする。
《驚いたのはこっちだよー》
《どうして離婚したの?》
 いきなり核心? ならこちらも単刀直入に。
《知子も感じてるかもしれないけど、武夫って優柔不断でいい加減なことろがあるのよね。人の話、聞いてないでしょ。自分が一番大事だし。彼の母親もそりゃ大変な人だから、結婚したら知子がイヤな思いすると思うよ。それが心配》
《そっか。やっぱりね。どうしようかなー。親からは早く結婚しろって言われてるんだよね》
《知子は初婚なの?》
《うん。なかなか親のお眼鏡にかなう人が現れなくて》
 美人なのにな。ご両親は厳しそうな人だったっけ。
《武夫は外ヅラ良いからね。気を付けて》
《うん、ちょっと考える》
《良かった》
《麻衣ちゃんは昨夜来た人と再婚するの?》
《私は結婚はこりごり。向いてない。テキトーに遊ぶのが楽しくて》
《他にもボーイフレンド居るの?》
《居るよ、10人前後(笑)》
《良いなー。麻衣ちゃんは昔からいつも周りに男の子たちが居たよね》
《昔は女と思われてなかったから(笑)》
《そんなことないよー。和正も仁も麻衣ちゃんに夢中だったよ?》
《え? 初耳(笑)》
《告白されてないの?》
《されてない》
《大事にされてたんだね》
《そういうこと?(笑) 告白されてもあいつらとは付き合う気無かったわー》
《武夫もまだ麻衣ちゃんに未練があるみたい?》
 おっと再度核心。
《あいつは優柔不断だから。たまに連絡来るけど、もうやめて欲しいと思ってる》
《出禁にしようかなー》
《いきなり?》
《うん、だって麻衣ちゃんが来てくれたほうが嬉しいもん》
《うわぉ、それは光栄だ。だったら私も武夫をブロックする》